【展示会】南会津から始まった”bel fonte”そしてtenten暮らしのお話
hitotsubu企画「ベルフォンテ展」
2019/11/1(金)-24(日)
bel fonte ベルフォンテ との出会いは、
会津若松市でギャラリーひと粒を営業している頃、
大宴会in南会津での繋がりだったかと思います。
*大宴会は、ジーマママスターが会長を務める野外音楽フェスです。
代表の藤本さんと、スタッフの方と、
カフェに行って話したのを覚えています。
以前のブログを辿ると、2012年5月に、会津木綿のくるみボタンのシャツの紹介をしています。
当時の商品は、手作りの石鹸、草木染めのハンカチ、会津木綿くるみボタンのシャツ、でした。
新作でTシャツができて、
「タグをオリジナルにした方がいいんじゃないですか?」と言うと、
「タグって何ですか?」と返ってきたのが印象に残ってます笑
お互いに、チャレンジしたばかり。
想いのまま、手探りで。
だからこそ、10年の時を経て、
この始まりの地、南会津で展示会ができること、嬉しく思います。
bel fonteのはじまり
代表の藤本さんがご主人の転勤で、南会津に来たことから、
この物語は始まります。
藤本さんは南会津をこう語ります。
「福島に来て初めて住んだ場所、南会津。
孤独と何もすることがない焦燥を感じ、辛い経験をした南会津。
ベルフォンテを立ち上げた南会津。
素敵な出会いを経験をさせてくれた南会津。
今となっては大好きな(依怙贔屓してしまうぐらい)南会津。」
bel fonte代表の藤本菜月さん。現在は福島市に事務所を構え、活動されています。
ちょうど私の父が主幹を務める書道の教本「玄粒誌」の巻頭言を藤本さんが書いてくださいました。
bel fonteの立ち上げから、tentenの活動までの、藤本さんの想いが綴ってあります。
転記させていただきます。
「ここに来てよかったと思える福島を目指して」
『13年前、私は東京生活に区切りをつけ、福島県に引っ越してきました。
同じ職場で働いていた白河市出身の今の夫と深夜まで残業が続く東京での生活に疲れ切っていた時でした。
夫は転職し、私は仕事を辞め、新しく始まる福島市での生活に胸を躍らせていました。
しかし、夫に告げられた赴任地は南会津町田島。しかも3年限定とのこと。そこで私は転勤族の妻の苦悩を経験することになったのです。知り合いは一人もいない、話す大人は旦那だけ、何か情報を得たくてネットサーフィンの日々、次にいつ転勤になるか分からないので定職にもつけない焦燥感。期待は孤独と不安と焦りに変わりました。
しかし、3年後、私は南会津から離れたくないと思うほど、南会津が大好きになったのです。
私を変えてくれたのは、あるご夫婦との出会いでした。
そのご夫婦は南郷に古民家を購入され、茨城のご自宅と二地域居住されていました。ご主人がされていたブログがキッカケで知り合い、その古民家に呼んでもらったのです。囲炉裏、土間、古道具が残されている一方で、生活しやすくリフォームされた古民家は「素敵」という陳腐な言葉では表現しきれないくらい素敵で衝撃を受けました。その古民家に東京からイタリア料理のシェフを呼んで開催した「南会津イタリアンの夕べ」が一番贅沢な時間として思い出に残っています。田島のアスパラ、南郷トマト、只見川のわかさぎなど地元の素材で作ったイタリア料理、そして花泉のお酒、それを囲炉裏を囲んで仲間と楽しむ。私が知らなかった南会津の良さをたくさん教えてくれ、たくさんの南会津の若者を紹介してくれました。その若者たちと南会津の地域資源を活用した物産開発を行う任意団体「ベルフォンテ」を立ち上げたのです。ご夫婦は私に居場所を与えてくれるキッカケを作ってくれたのです。
それから10年経ち、私はその後、喜多方市、須賀川市を経て、今は福島市に住んでいます。その間に子どもも二人できました。それぞれの地に転入するたびに、一から人間関係の作り直し、幼稚園などの情報収集にも明け暮れました。子供が二人とも小学生になり、子育てが少し落ち着き、思い返すのは南会津の楽しい思い出。今度は私があのご夫婦のように転入女性が地域に居場所を作るキッカケを与えられる人になりたいと、昨年度からベルフォンテの事業として「転入女性が暮らしやすい福島づくりプロジェクト」を新たに始めることにしました。
仲間作りと地域の良さを体感してもらう「WELCOMEワークショップ」、地域の情報交換を行う場「tenten cafe」、転入女性の暮らしを応援するWebサイト「tenten fukushima」の運営を活動の軸として行っています。
去年一年間活動して、転入女性のコミュニティメンバーが200名以上になりました。イベントに参加してくれたメンバーからは「孤独を感じることが少なくなった」「福島の良さを自分から探そうと思うようになった」など嬉しい声をいただきました。
その成果を認めていただき、つい先日、南会津振興局からtenten caféを南会津でも開催してほしいとの依頼を受けたのです。この活動を始めるキッカケをくれた南会津で、10年の時を経て、今度はキッカケを与える側として出向けることが本当に嬉しく感慨深いです。
今後は、現在福島市で主に開催している活動を県内全域に広げつつ、作り上げたコミュニティを活かす活動も行っていきたいと思っています。他県と福島の違いを知り、県外にも繋がりをたくさん持っているヨソモノの女性達です。もしこのコミュニティと何か一緒にやりたいという方がいらっしゃったら是非ご紹介ください。
最後に、40才を目前にして、何故この活動にこんなに一生懸命になって取り組んでいるか自問自答することがありました。そこで出た答えは、私も含め、自分の意志とは関係なく福島に転入した女性に「ここに来てよかった」と思える福島を創りたいんだということ。それが福島に縁もゆかりもなかった私がここに来た意味なのだと思い込んで今後も頑張りたいと思います。』
bel fonteの想い
人に贈りたいものを一つ一つ丁寧に−bel*fonte(ベルフォンテ)の商品は、パートナーが転勤族の女性や福島に住む子育て中の女性が作り手さんとなり、一つ一つ丁寧に手作りしています。
女性の多様な働き方の一つとして、社会と繋がり、いきいきと自分らしく生活できる福島を目指して。「身に付けて福島を自慢したくなるモノ」
「胸を張って人にプレゼントしたくなる福島のモノ」
をコンセプトに福島の素朴であたたかい地域資源に新たな命を吹き込みます。
作り手さんが子供連れで来て、作業をしていました。
女性の生き方、暮らし方には考えるところが沢山あります。
その中で、こういった活動や場所があること、
現在ベルフォンテの商品たちは、この3ラインを展開しています。
会津木綿:生活にちょっと、会津木綿。
鹿革:oze deer
刺し子:ふくしまさしこ
私たちの暮らす会津には、こんなに素敵な文化、モノづくりがあること、
手に触れて感じていただけたらなと思います。
モノづくりから見えてくること
「モノ」には、様々な役割があると思います。
今回、このベルフォンテ展を開催するにあたり、私自身が、そのモノが出来上がるまでの物語に触れたかったと言うのがあります。
hitotsubuで7年間取り扱っている、馴染みの商品ではありますが、
改めてその想いや動きを知りたいと思ったのです。
様々な商品が、距離も時間も超えてポチッと購入できる世の中になりました。
今はカフェの仕事が多くなる中、
私のしたいことは何だろうか、
「食」に勝る「モノ」の魅力って何だろうか。
ここで、モノを売る必要があるのだろうか・・・
そんなことを時々考えたりします。
一度立ち止まったからこそ見えてくること、
向き合い、改めて考える、感じる時間、対話、
今はそんなことを大事にしたいと思っています。
お店は、つなぐ場だと思っています。
文字で伝えるのか、話して伝えるのか、
方法は色々ありますが、私はそのモノ”そのもの”が伝えていると思っています。
私ができることは、より向き合い理解すること。
ふと手にしたその商品が、その人のより「楽しい、嬉しい」に繋がるように
ほんのちょっとのお手伝いができたら嬉しいです。
そして今回、刺し子に触れる機会を作っていただきました。
是非是非ご参加ください。
刺し子のワークショップ
11/6水14:00 – 16:00 ¥2,000 ワンドリンク付き*要予約
bel*fonteオリジナルの図案でブローチ、ヘアゴムを作り
会津木綿と刺し子に触れてみましょう。
CAFE JI MAMA 学びの”ワ”では、
11月のテーマを「それぞれの 生き方 暮らし方」として、
お話会、ワークショップ、映画上映などを予定しております。
その中の第1弾として、
転勤族の「tenten暮らし」から始まったbel fonteの活動をご紹介しました。
11/6は代表の藤本さんのお話を伺いながら、
刺し子に触れていただけたらと思います。
午前中は、tenten cafe @南会津がお蔵入り交流館で開催されます。
こちらもぜひご参加ください。私もお手伝いで伺います!
南会津に来たみなさんとお話できるのを楽しみにしております。
詳細はこちら